わがままシュガー
付き合ってもなお四人での関係を大事にしてくれる氷が、大好きで仕方ない。
付き合うと同時に、緑に教わりながら自分を認めるための訓練もすることになった。
曰く、『自信がなくて不安定なままだとすぐ別れることになるわよ』なんて脅し文句に、私は秒で屈したのだ。
身に覚えがあり過ぎたのである。
ファーストステップとして、『〜と感じた自分がいる、ということに気付いた』というような、意識と感情の間にワンクッション入れるような客観視の練習から、口酸っぱく指導されている。
つまり、『自分と佐藤が釣り合わない、と感じている自分に気付いた』という感じ。
感情に呑み込まれないための練習からスタートだ。
私だって、氷の為に頑張りたいから。
いつも通り、途中まで四人で一緒に帰り、途中から氷と二人になる帰り道。
手を重ねてきたのは、氷からだった。
それを絡めるようにきゅっと握り返したのは私。
恥ずかしさも込み上げる中、私は氷を見上げる。
その視線に気付いてくれる氷が、優しく微笑む。
「氷、あの」
「なぁに?」
「今日……家、寄ってかない……?」
思い切った私は、提案する。