わがままシュガー


「佐藤なんて?」



そう聞いてくる緑に、じっとこちらを見て無言でポテトを頬張っている鞠。



「佐藤来たら帰るって」

「え、佐藤なんも買わないで帰る気?あのよく食べる佐藤が?」

「さとちん用に、持ち帰りでなんか先に買っといてあげよーか?」

「ていうか佐藤今日バイトとかなんか言ってたっけ?」

「ないはずだよー?」



私も、佐藤が今日バイトだとかは聞いていない。

週3程度でバイトに行っているらしい佐藤は、遊ぶときは全力で遊ぶし、バイトの時はキッチリすぐに帰る。

たまにバイトがないのに早く帰るという日があるけれど、理由は聞いていないし、今日はそこまで早い時間ではないから、このままだべって遊ぶものだと思っていた。



「さとちんが帰るっていうならこの後解散だねぇ。お菓子買ってかーえろっ」

「マリモはよくそれで太らないでいられるよね」

「ふふん、マリは神様にたくさん食べていいように作られたのだっ」

「そのうち30代くらいになって来てから太りやすくなったりして」

「そしたらマリ、みんな道連れにしてダイエットに励むからいーの!」

「巻き込むなし」



そんな言い合いを聞いていると、すぐお店の自動ドアから佐藤が現れた。

< 17 / 136 >

この作品をシェア

pagetop