わがままシュガー
「えー!!うーん、ちょっと地図見よう!!」
ベンチに座って園内マップを開き、緑に相談しながら回る場所を決めている鞠。
一方、私と佐藤は飲み物を買いに自販機へと向かった。
いつも通りの佐藤のままだから、思いの外気まずい気持ちにはなっていない。
そりゃあ、あんな暴露話をされた後は寝れなくもなっていたけれど、よく考えたら今まで佐藤が男だったことで別に不便も何もなかったし、むしろ気付かなかったくらいに馴染んでいたし。
それなら、これからも佐藤が佐藤であることには変わらないのだから、それなら別によくないか?
思いの外、柔軟に受け入れて昨夜は安眠出来ていたことに自分で驚いたくらいだ。
私は佐藤が女趣味でも心が女でも……いや、心は男……か?
でも女子力……いや、佐藤は佐藤という一つのジャンルなのかもしれない。
そういうことにしておこう。
それでも佐藤を避けたり毛嫌いしたりする理由になんかならない。
そう、自分で気付いたんだ。
「ねぇ、和香」
「なに」
「あーしのこと、ちゃあんと男だって意識してないでしょ?」