わがままシュガー
というかもうここからは動物園のゾーンに入るようだ。
鞠と緑から聞いたけれど、閉演の一時間前には観覧車とバイキング、それにジェットコースターにも軽く乗る予定らしい。
私は観覧車だけでいいや、胃から込み上げてきちゃいけないものがこみ上げそうになるあの感じが無理だから、絶叫系には乗らない。
今回もきっと、佐藤と緑が交代しながら鞠に付き合ってくることだろう。
「きりんさぁぁぁぁぁぁぁん」
「テンションうっさいわマリモ!」
ゴツッと緑の拳を頭に受けていた鞠は、今日は一段と良く騒ぐ、どうどう。
「いたぁい……」
「鞠は元気だね」
鞠の頭をよしよしと撫でながら、上目遣いで潤んだ眼を向ける鞠に困ったように笑みを向ける。
少しは落ち着きな、転ぶよ。
「マリはいつも元気だけどー。のども楽しいといいなぁって」
「……ん?」
私も、何?
「のど、楽しい?」
「もちろん、この四人でいて楽しくないわけがないよ」
「へへっ」
どうやら元気を取り戻したらしい鞠は、佐藤に突撃しに行った。
あ……うん、まぁ、今までと変わらない光景、だけれど……。