わがままシュガー


お土産屋さんに入り、たくさんの動物たちのグッズを見ていると、ふと隣に気配が寄ってくるのを感じる。



「和香はなんか、買いたいものあるのぉ?」



いつものように綺麗にギャルメイクされている佐藤の横顔が、私の顔のすぐ横に並ぶ。



「あー、万華鏡キレー」



その筒を拾い、くるくると回して中を覗き込む佐藤は、いつもと変わらない佐藤で。

私は何をそんなに朝から気にしているのか、自分でもよくわからなかった。



動揺は、もうなくなって来ていたけれど、心がモヤモヤとする時がある。

その理由は、まだよくわからない。



「ねーぇ、和香。アクセとかもあるよー?」

「佐藤はよく付けてるよね」

「和香は付けないの?」



ふと笑みを消す佐藤の顔がこちらに向いていて、一瞬息が止まる。

いや、そんな緊張するほどのことは、起きていないはずなんだけど。



「……付け忘れる、から」

「じゃあ付けたり外したりあんまりしないものがいーかな?」

「……?私別に買わないけど」



ふと手が伸びて来て、髪をかける指先が耳に触れ、肩がビクりと上がる。

急に、なに。



「和香はピアスも開けてないしねぇ。となると」

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