わがままシュガー


「和香にとって、どうとも思われてないことなんて、わかりきってる」



そう佐藤が呟くから、私は「どうともなんてことない」と強めに反論する。

けれど、それは佐藤の求めている言葉じゃないようで、また不満顔を向けられる。



「違う、和香の思ってくれている気持ちとこっちの気持ちにズレがあるってこと」

「は……?」



なに、気持ちにズレがあるって。

わからないよ、佐藤、そんなんじゃ私わからない。

でも怖い、変わってしまいそうな何かを打ち明けられているようで。



「和香とは友達として二年も過ごしてきちゃったんだから、そりゃ、仕方ないことかもしれないけど」

「まって、佐藤……友達してきたことに後悔なんて、してないよね?」

「いや、後悔はしてないけど、そのせいで……和香に意識してもらえてないなら、それは」

「まって、やだ佐藤……私それ聞きたくない、かも」

「離れるわけじゃないよ、和香」



何かが変わろうとしている。

何かを変えようとしている。



佐藤が、私たち二人の関係を変えようと……四人の、関係も、変わってしまう……?



「佐藤は佐藤のまま、だよね」

「そうだけど……和香の中の俺の印象を変えたい」

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