わがままシュガー
佐藤は、ちゃんと私の知っているままの佐藤だから。
しばらくは混乱するだろうけれど、それもそのうち慣れていくんじゃないかと思った。
佐藤は、私たち四人の関係をきっと、変えるつもりなんてない。
それなら私も、この四人での関係が変わらないようにしていくだけだ。
ただ少しだけ、佐藤の気持ちを私が知った。
それだけの変化だ。
観覧車から降りて、二人でソフトクリームを買ってベンチに戻ると、ちょうど緑と鞠もベンチに向かってくる所だった。
「え、ずっるい!マリも!マリも買ってくる!!」
「あーはいはい。でもいいのマリモ?閉園時間迫って来てるし、こっから退場ゲートまで結構距離あるけど」
「閉園時間早すぎない!?」
「もーちょい遅くまで居たかったらちょっと遠くの遊園地の方行かないとね。ていうか今日の目的は動物園だったでしょう?」
「むー……今度はちゃんと遊園地に行こう!!」
鞠がそう言うもんだから、今日のところは急いで観覧車に行くよりソフトクリームを食べながら退場ゲートに向かおうということになった。
四人で乗るのは、また今度に持ち越しになったということだ。