わがままシュガー


帰りの電車では鞠と私はすぐに寝てしまって、気付いたら到着する駅の前で佐藤に揺らされて起こされていた。

その肩に頭を乗せていたみたいで一瞬びっくりしたけれど、佐藤がからかってくるから恥ずかしさもどこか飛んで行ってしまう。



今日はたくさん歩いたからということで、駅前で解散して佐藤と一緒に帰り道を歩いたけれど、佐藤はゴンドラの中でのことを掘り返しては来なかった。

そして佐藤とは、コンビニ弁当を二人で買って、私の家の前で別れた。





帰ってきた部屋の中で、私はベッドの上に三つの小さなぬいぐるみを並べて、口元を緩ませる。

トラと、ペンギンと、孔雀と、それから白鳥……迷った末に、結局みんな買ってしまった。



自分が白鳥というのは綺麗すぎないか?と考えたものの、あの緑が選んでくれたのだから、せっかくならば買ってしまおう、と思って。

だって、三人だけだと、私がなんだか寂しいから。



その日は四つのぬいぐるみに見守られて、温かい気持ちで眠りに付いた。

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