わがままシュガー


「俺が馬鹿してる罰が下ったと思ってたから、馬車馬のように働くのが当然じゃねぇかって思ってて。けどさ、そんな経歴じゃ会社にも安く使われるだけだからって、大学に入ることを勧めてくれたのが叔父さん。ほんと、ばかみたいにいい人。すぐ騙されそう」

「それは悪口だよ佐藤」

「でも、すっげぇ尊敬できる人」



本当に理事長のことを尊敬してるんだなというのが、よく伝わってくる。

佐藤も叔父さんのおかげで、ヤンキーでいることをやめたのだろうか……だからといってなぜ方向転換した先がなぜギャルなのか。



「残りの高校生活は出来る限り勉強して、それから大学に来た」

「なんで妹の名前で?」

「目が覚めた時に、友達がいなかったら寂しいだろ」



……?



「どういうこと?」



佐藤は少し照れたように視線を反らして、口を尖らせる。



「俺のダチじゃ、ガラ悪いし、男だし……」

「うん?」

「蜜の為に、何か出来ないかって考えて……目が覚めた時、学校くらいでしかつくれない質のいい女友達、一人でもいいから連れてってやりたいと、思って」

「……ばか、じゃないの。なんでそれでギャルなの」
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