それが私たちの。
シュンはあたしのことを、恋愛対象として見てない。友達として接してるつもりだろう。
だから、シュンがあたしに優しくするのも変なことじゃない。
悪いのは、勝手に期待したあたしの方なのに。
「どこまでお人好しなのよっ…」
そうやって優しくされたら、嫌いになれないよ。
甘えてしまうよ…。
シュンの優しさに。
メール、してもいいのかな?追い返しちゃったけど、シュンは心配してくれてるかもしれないし。
悩んでるあたしが手に握っていた携帯が、突然光った。
【メール受信:リナ】
「リナ…?」
携帯を開く。
メールの内容は一文だけ。
“次の英語はどうしますか~?”
「あっ…やば…!」
次、英語だったの!?
英語の先生は、あたしが一番苦手な先生。
ただでさえ成績良くないのに…。英語だけはサボれない。
大丈夫、予鈴はまだ鳴ってない。あたしは携帯を制服の胸ポケットに入れて、階段を降りた。