それが私たちの。
「…噂をすれば、ね」
にやりと笑う優紀。
いや、全然笑えないんですけど…!
「あんなちゃん、おはよ!」
「…川野(かわの)先輩…おはようございます」
「今日さー、あんなちゃんからチューしてもらって目が覚めたんだよね」
「はあ!?」
「あ、夢の話ね!」
「…夢の話って…」
「あれが現実だったら…俺、もう幸せすぎて泣いちゃうけどなー」
「泣かなくていいですし、現実にはなりませんし!」
出ました、最近のあたしの悩みの種その1。
この無駄に爽やかな男の子が、三年の川野 雪弥(かわの ゆきや)先輩。
優紀はあたしの隣で、お腹を抱えて笑ってる。
なぜか川野先輩もニヤニヤしてるし…。正直、かなり気持ち悪い。