それが私たちの。


「…噂をすれば、ね」



にやりと笑う優紀。
いや、全然笑えないんですけど…!





「あんなちゃん、おはよ!」

「…川野(かわの)先輩…おはようございます」

「今日さー、あんなちゃんからチューしてもらって目が覚めたんだよね」

「はあ!?」

「あ、夢の話ね!」

「…夢の話って…」

「あれが現実だったら…俺、もう幸せすぎて泣いちゃうけどなー」

「泣かなくていいですし、現実にはなりませんし!」




出ました、最近のあたしの悩みの種その1。
この無駄に爽やかな男の子が、三年の川野 雪弥(かわの ゆきや)先輩。



優紀はあたしの隣で、お腹を抱えて笑ってる。

なぜか川野先輩もニヤニヤしてるし…。正直、かなり気持ち悪い。



< 19 / 22 >

この作品をシェア

pagetop