それが私たちの。


「“冗談だよ!笑”」

「……ね」

「何なのコイツ」

「優しいんだよ、シュンは」



眉間にシワを寄せるリナの手から携帯を抜き取る。リナは、納得いかない!と言ってあたしの両肩を掴んだ。



「のんちゃん、違う。コイツは優しいとかじゃなくて、気を持たせるのが上手なだけ」

「そんなこと…」

「つまり、タラシってこと!わかるよね?」



あたしの言葉を遮って、リナは真面目に言った。
リナが言ってることは、あながち間違ってない。
確かに、シュンは気を持たせるのが上手。
あたし以外の女の子にもきっと、同じようなメールをしてるんだろうなって思う。

シュンと同じ高校になってから、毎日メールして、いい感じになってた。
「絶対いける!」って思って告白したら返事は「ごめん」で。

その時あたしは、シュンがとても器用な人なんだって気付いた。

ショックだった。いろんな子がシュンを好きだって言い始めて、あたしだけじゃないんだってことにも気付いた。



だけど、やっぱり好き。


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