それが私たちの。


翌日、あたしがリナと廊下を歩いていた時だった。
目に入ってきたのは──階段の側で、シュンと女の子が仲良く話している姿。



「のんちゃん?どうした?」

「…あたし、ちょっとトイレ!リナ先行ってて」

「トイレならあたしもついてくよ?」

「大丈夫だから、先行ってて!」




不思議そうに首を傾げるリナ。本当はトイレなんか行きたくない。あたしはリナに嘘をついてしまった。

シュンとその子が何を話してるのか気になって…こっそり、盗み聞きをしようと思った。
シュンに気付かれないように、トイレに隠れる。



「昨日はありがと!数学、ちょっとはわかったかも」

「役に立てたんならよかったよ」

「…シュンはさ、頭いいし見た目悪くないし」

「ずいぶんと上から目線だな~」

「…運動できるし、モテるじゃん?なのに」




女の子がシュンのいいところばかり言う。ねえ、シュン?あたしも知ってるよ?

胸が苦しくなる。




「なんで、彼女つくんないの?」


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