獅子組と私
「椎那、危ないから!こっち来ちゃダメだよ!」
「帰ろうよ!飛鳥くん!
ほんとに、ちょっと話をしただけだよ!」

椎那は言い聞かせるように、必死に飛鳥に呼びかけた。
「んー、わかった…!
でも、君達忘れないで?
“次”はないよ!
僕の椎那に二度と関わらないで?
椎那は僕のモノなんだから!」

「は、はい!わかりましたっ!」
学生達は、必死に頷き言ったのだった。


「飛鳥くん」
「ん?」
「いつもの飛鳥くんだよね?」
「うん!」
「良かったぁ…」

「椎那ちゃん、大丈夫だよ!
飛鳥は、殺したりなんかしないよ?」
滉二が、椎那の顔を覗き込むようにして言った。
「ほんと?」
「うん、こんな言い方変だけど…殺すようなヘマはしない!」
道彦も言う。
「獅子組のキングは、恐ろしく最強で最高な男だよ!」

「椎那、僕を信じて?
椎那を傷つけるようなことはしないから!」
手を繋いでいない方の手で、頭を撫でる飛鳥。

「………そうだよね」
椎那も微笑んだ。


「みんな、煙草吸いすぎだよ」
屋敷に帰り着き、食事後ソファでゆっくりしている一行。
椎那の言葉に、四人の動きがピタッと止まった。

「そんなことないよ」
「そんなことあるよ。ほら、見て!もう一箱なくなっちゃってる!
道彦くん達も!みんな、今吸ってるので終わりね!」
そう言った椎那。
四人の煙草とジッポを取り上げた。

「あれ?」
「ん?」
「四人共、お揃いのライター?」
「え?ジッポ?そうだよ。刺青と同じなんだよ!」
「ほんと四人は、仲良いんだね!」
四人を見て、微笑む椎那。

「椎那…/////」
「可愛いな…」
「その笑顔、ヤバいよ…」
「反則だろ///」
「え?どうしたの?」

「椎那が可愛いって言ったんだよ!」
「そんな…////みんなの方がよっぽど…カッコいいよ…!ヒーローだし、仲間だし、私にはもったいない…!」
「椎那がわかってないだけ!」

「キング!!!」
「ん?丈治、何?」

神田(かんだ)さんが、来てます」
飛鳥達の雰囲気が、ピリッと張り詰めた。
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