獅子組と私
一朗のバーにつき、奥のVIPルームに入る。

「椎那、僕達が帰ってくるまでこの部屋から出ちゃダメだよ!!」
「もう少しで、清美と琴子も来るから!」
「女子会でもしててよ!」
「なんかあったら、いつでもここの店員呼んでね!
ここの店員は、獅子組の部下だから!」
四人がそれぞれ、椎那に声をかける。

「わかった!
………あと、これ」
椎那が四人に、ジッポと煙草を一本ずつ渡す。

「椎那?」
「私……正直獅子組のことも、こうゆう世界もよくわかってない。
そんな私が、こんなこと言うのはおかしいのかもしれないけど、喧嘩をしないでなんか言うつもりない。
でも一つだけ、約束して!」
「ん?」
「“命”を大切にして!」
「椎那…」
「それは、飛鳥くん達は当然で、相手の人達の命もだよ!この煙草は、心を落ち着ける為の薬。だから、一本だけ!」
椎那は真っ直ぐ四人を見つめ、力強い目で言った。

「………わかった!」
四人が微笑み、椎那もつられるように微笑んだ。


外に出た四人━━━━━━━
「椎那ちゃんには、敵わねぇな…」
道彦が、煙草を見つめ呟いた。

「命を大切にしてなんて、初めて言われたなぁ!」
滉二の言葉。

「俺達は“命懸け”だったからな。いつも…
やっぱ椎那ちゃんは、獅子組のクイーンに相応しい女だね!」
一朗が微笑んで言った。

「うん!だから、手放せない…!何があっても……」
飛鳥は煙草にキスをして、バイクに乗り込んだ。

そして四人は、バイクを走らせた。



そして、遊木組の若頭・遊木 藤生の事務所前━━━━━

「お前、キング!?」
「久しぶり!藤生に会わせて?」
藤生の部下が一度藤生に電話し、飛鳥達を中に通す。


「久しぶりだな、キング」

高級の内装の事務所内。
高そうなチェアーに座っている、藤生。

威圧感が丸出しの藤生だが、飛鳥達は微動だにせず藤生を見据えていた。
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