獅子組と私

【仲間】

それから、ゆっくりお酒を飲みながら話をしている三人。

「今日も、失神コースかなぁ?」
「え?清美ちゃん?」
「キング達、喧嘩しに行ったんでしょ?
興奮を抑えてあげなきゃだよね?二人共、大変だ」
琴子も言った。

「あ、それなら!煙草を……」
「煙草で、落ち着くわけないでしょ?」
「え?そ、そうなの?」
椎那は、目をパチパチしてフリーズしている。

「だって、獅子組よ!!
アドレナリン凄いはずよ!」
「アドレナリン……」

「「寝かせてもらえないパターンね!」」
「えーーー!!」
清美と琴子の言葉に、あの夜の事を思いだし再度顔を赤くする椎那だった。


【椎那……大好き…大好きだよ…】
【椎那…綺麗で可愛い……!】

椎那はトイレの洗面台で、頭を冷やしていた。
飛鳥に抱かれている時のことが、頭から離れない。

飛鳥の背がスラッと高く、細いのに程よく筋肉があり力強い身体。そして肩幅が広くて胸板も厚くて、手も大きい。

あの広い胸に抱かれ、大きな手が身体を滑る。
とても激しくて熱いのに、甘くて慈しむように触れる飛鳥。
飛鳥に抱かれているとふわふわして、もうこのまま……溶けてなくなってしまっていいとさえ思えるのだ。

「………って、私、何を想像してるの…!?
私って、変態…!?」
頭をブンブンを振り、トイレを出た。


「あれ~??君、誰~??」
「へ!?」
椎那がトイレからVIPルームに向かっていると、酔っ払った男に話しかけられた。
暑いからか、タンクトップ姿で右腕にランオンがいた。
その姿から、チームリーダーだというのがわかる。

「可愛い~!!今日は獅子組だけの貸切りだから、入ってきちゃダメだよ~!」
「え?あ、違うんです!私は━━━━━━━」
「でも可愛いから、みんなに紹介しちゃおう!!
幹部の皆さんに紹介してあげるね~!これもなんかの縁だしぃ~!」
そう言って、ガシッと手を掴まれた。
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