獅子組と私
「椎那!!?」
そこには、飛鳥達幹部四人がいた。

「飛鳥くん!!」
椎那は駆け出し、飛鳥の胸に飛び込んだ。

「椎那!!椎那…もう、大丈夫だよ!」
飛鳥は、椎那を抱き止め背中をゆっくり擦りながら言った。
「来てくれて、良かった…」
「椎那、ちょっと待っててね!」
腕をほどいた飛鳥は、椎那の頬を両手で包んで撫でながら言った。

「え……何を、する…の…?帰ろ?みんなで!」

「うーん。無理だよ!こいつ等は、わかっていない。
僕の……キングの女に手を出す“危険”を…!
だからね……教えてあげるの!」
「え………あ、す…く…?」
恐ろしい雰囲気に包まれていく、飛鳥。

椎那は、息が出来なくなるくらいの圧迫感で言葉が出にくくなる。
飛鳥は微笑んで椎那の頭を数回撫で、男達に向き直った。

「1、2、3、4、5…6……18人?
まぁ、5分位かな?」
「は?お前、何言ってんの!?」

「椎那、5分だけ我慢してね!
そしたら、帰ろうね!」
後ろを振り返り、微笑んで言った飛鳥。

「え?飛鳥…くん…?」
「おい!こっち向━━━━━」

ガッ━━━━━!!!!
飛鳥は男の頭を片手で掴み、握り潰すように握った。
「僕の大切な恋人に何をしようとしてたか、ここの見張りをしていた奴に聞いたよ?」
「う……離、せ……」
「こんな大勢で、椎那を襲おうなんて……」

「てか、よえーな!お前等の仲間」
道彦が飛鳥の肩越しに男に言った。

「それに、口軽いよね?」
滉二が苦笑いしながら言う。
「は?」
「だって、飛鳥がちょっと脅したらすぐにペラペラ話してくれたし!」
一朗も声を合わせて言った。

「ねぇ…」
「う…頼む…離し、て…くれ……」

「前から思ってたんだけどさ!
頭蓋骨って、握りつぶせないのかなー?」
飛鳥の言葉で、バー内の雰囲気がピンッと張った。

「何言ってんだ…こいつ……」
周りの男達が、かなり退いている。

「頭、イカれてる……!!」
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