獅子組と私
2年前の11月◯日。

飛鳥達四人は哲士の誕生日祝いでサプライズをしたくて、一朗のバー(その頃はまだ空き店舗だった)に呼んでいた。
そこに沢山飾りつけをし、哲士が来るのを今か今かと待っていた。
当時哲士は13歳でチーム・TETSU組を作り、たった半年で最強のチームに押し上げた天才だと言われていた。
そんな哲士は、色んな敵のチームや不良達に毎日のように喧嘩を売られていた。

そしてこの日も、あるヤクザの組員(藤生の組)が哲士を組に入れようと現れたのだ。
それが藤生との出会いにもなる。

組員1「哲士は?」
道彦「いないっすよ!」
飛鳥「今日、僕達パーティーするんだ!帰ってよ!」
組員2「そう。でも俺等も手ぶらってわけにゃいかんでな!待たせてもらう」

滉二「帰ってよ!」
組員2「そんな、邪険にすんなよ!ガキ!」
一朗「あ?」
道彦「一朗、やめとけ!
哲士に迷惑がかかる」

組員1「そうだよ!お前等みたいな可愛いガキに俺等は殺れねぇだろ?」

滉二「は?」
組員2「おい!やめとけ!ガキは関係ねぇんだから!」
飛鳥「でもー、そのガキを組員にしようとしてるじゃん!おじさん達」
道彦「それに哲士だって、ガキじゃん!まぁ、今日から成人するけど(笑)」
組員1「てか、お前等黙ってろ!!?」

飛鳥「プッ…!!言い返せないよねー?
図星すぎて!」
組員1「なんだよ、死にてぇのか!ガキ」
飛鳥は強面のヤクザに胸ぐらを掴まれるが、冷静に見据えていた。

組員1「お前……」
飛鳥「なぁに、おじさん。
僕は全然怖くないよ?誰もが、ヤクザが怖いと思ってると思う?」
少なからず、驚愕していた。
飛鳥も哲士と同じ目をしていたから。
目の奥に、凄まじい闇を抱えたような目。
使い方を間違えると、こっちが消される。

組員2「どうした?」
組員1「いや…」
飛鳥「早く消えて!」

そこへ別の組員が現れた。
組員3「哲士は、まだかよ!」
組員2「はい、まだここに来てないみたいです」
組員4「チッ!!こっちも忙しいんだがな」

飛鳥「早く消えて……!おじさん達」
飛鳥の雰囲気が、黒く染まっていく。
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