獅子組と私
「お前、バカ!!?」
「え?」
「椎那ちゃんも助けてほしかったはずだろ!!?」
「え……?」
「それをお前…犯そうと……いや、犯したじゃん!
最低だよね……
きっと凄く嫌がってんのを、無理やりヤったんでしょ?」
「俺も女の子大好きだから、正直傷つけたことあんだよ。でも……強姦みたいな最低なことはしないぜ!
しかも椎那ちゃんみたいな純粋な女を……
それでか…飛鳥にも言えずに、一人で悩んでたんだな……!漸くわかった!今日の様子がおかしかったやつ」
道彦、滉二、一朗の順に村部に言葉をぶつける。

「それなのに、君は助けてってムシがよすぎるでしょ……!許さないよ……一生…」
そして、飛鳥の冷たい声が更に村部を地獄に落とす。

「飛鳥は絶対に相手を許さねぇよ。昔からずっとそうだったから。
よく飛鳥は言ってたな“一度傷つけられたら、傷つけ返す”って。だから飛鳥に許しを乞うのは無理だ」
飛鳥の横にしゃがんだ道彦が、村部の顔を覗き込み言った。

「まぁ…ここにいる四人、誰にも許しをもらえないけど!」
「俺達の大切な仲間で、獅子組のクイーンを傷つけた落とし前つけろよ!!伊勢男!」
煙草を咥えた滉二と一朗が、村部を見下ろし睨みつけた。

「どうする?早く決めろよ!
早くしねぇと、飛鳥、お前に飛びかかるぞ!
言っておくが、誰も飛鳥を止めねぇぞ!」
「━━━━━━━!!!!」
道彦が更に追い討ちをかけるように言い、村部はビクッと身体を震わせた。

「止めるどころか、俺が飛びかかる!」
「俺も…もう無理っぽい……」
滉二と一朗が、煙草を地面に捨て踏み潰した。

「もういいよ……
もう…勝手にするから……」

ゴッ━━━━━━!!
「うがっ…!」
飛鳥が一発殴ったのを合図のように、道彦、滉二、一朗の殴る、蹴るが繰り返された。

「こんな……ことして……後から…どうなるか━━━」

「好きにして」
「………」
「僕は椎那の為なら……
椎那が笑ってくれるなら、幸せにできるなら何でもする。僕の椎那に対する愛情……なめないで!!?」


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