オオカミくんの飼い主は、私!?
「えぇっ!?喋っちゃったの!?」
キンキン響く声で私の心配をする桜。
「ん〜.....まぁ.....ちょっと.....。」
「どうする?もしいつか夏樹が殴られたら私、生きていけないよぉぉお。」
大袈裟に慌てて、心配し過ぎている。
「も〜大丈夫だよ?心配し過ぎ。意外と優しいかもよ?」
「そんなわけないじゃん!!!!!!!」
帰路に着く私達は、手を振って家へ帰った。
「なぁ。」
「ん〜?ってえぇっ!?」
隣の家の二階のベランダから聞き慣れた声がして、上を向くと如月 夏向の姿があった。
「な、なんで。如月くんがお隣に??」
「そんなことどうでもいいんだよ。お前に返したいものがあってさ......そこでちょっと待ってて。」
(えぇっ!?まさか殴られる??そんなぁ〜)
家から出てきた如月くんは、手を挙げたと思ったら、夏樹の手にシャーペン。
「はい。返すの忘れてたから。」
「あぁ、、、うん。大丈夫だよ...。」
「何されると思ったの?」
「いやぁ....そのぉー」
目線を逸らしていくと、如月くんが一瞬悲しそうな顔をした。
「殴られると思った.....?」
勢いよく顔をあげると、彼は悲しそうに笑ってた。
「え....」
彼は目を逸らして「じゃあ」と言って、家に入った。
< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop