光の向こうへ
明日になれば、今日という日は過去となり消化されていく。
1日が、消化される日々が積み重なり「終わり」を迎える。始まったばかりの「中学三年生」も何もないまま終わりを告げるのだろう。
それでも、変わらないものはある。はるかとの関係は大人になっても変わらない気がするし、奴との関係もー

「新学期早々熱々ですなー」

「太陽、朝から鬱陶しい」

「たいちゃんおはよー」

いつのまにか、太陽が追いついてたらしい。

昔は仲が悪かったはずの太陽だが、今は一番仲の良い存在で僕の1番の理解者だ。
気を使わずに思ったことを言ってくれる太陽はいつからか信頼できる人物になっていた。時の流れは怖い。
多分、中学生が終わっても太陽との関係も変わらない気がする。

「はるか、そろそろちゃん付けやめてくれよぉ。俺ももう中3だぜ?」

「たいちゃんはたいちゃんで、なおちゃんはなおちゃんでしょ?」

「なおは、“ちゃん”づけ卒業しなくていいのかよ」

「どうでもいい」

「冷めてるねー」

さっきもどこかで聞いたようなセリフを吐き、いつのまにか一緒に行く流れになっている。これも変わらない。

“変わらないこと”。それに、安心すると同じぐらい不満が募る。
変化が欲しいわけではない。ただ満足できないのだ。
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