神、恋に落ちる
「もう13時だ!さすがに、お腹すきましたね!」
「フフ…可愛い~白羽」

由那から教わった、イタ飯屋に着いた命と白羽。

「あ!ここです、命さん!
………人、多いですね…」
「そうだね。
でも、大丈夫だよ?」

「え……?」
すると……命が白羽の腰を抱いたまま、待っている客の間を通り店内に入った。

「いらっしゃいませ、申し訳ありません。只今満席なので、そちらの紙にお名前を書いてお待ちください」
店員が微笑んで言った。

「店長、呼んで?」
命は、無表情で店員に言った。
「え?店長ですか?」
不思議そうに聞き返す、店員。

「そう言ってる。ねぇ、早く!白羽がお腹すかしてるんだから!」
機嫌が悪くなり始めている。
それは、誰が見てもわかる。

店員は慌てて、厨房に向かった。
数分して、店長が現れた。
「自分が店長ですが……?」

「オーナーから聞いてない?
二人。早く通して?」

「あ!神石様ですか?」
「そうだよ」
「では、こちらへ」

「白羽、行こ?」
「え?え?命さん!?」
白羽はわけがわからないまま、一番奥の席に通された。当然ながら命の横に座らされ、腰を抱かれている白羽。

「命さん、ちゃんと待たないと……こんなの…予約してたわけでもないのに……」
「え?なんで、俺達が待たなきゃいけないの?」
当然の事のように言う、命。

「命さん…」
「俺の街なのに、俺が自由にして何が悪いの?」

「………」
そう言われてしまっては、何も言えない白羽。
「そんなことより!早く決めよ?」
「………は、はい…」

頬杖をついて、白羽を見つめている命。
「……/////命さん、決まったんですか?」
「白羽のを分けて?」
「じゃあ、ピザ二枚頼みましょう。
一緒に食べましょ?」
「うん!」

頼んだピザが運ばれてくる。
「命さん、どうぞ!」
「ん。ありがと!」

幸せそうに食べているのを、ワインを飲みながら見つめている命。
「命さんは、少食ですよね?」
「そうかな?そんなことないよ」
「だって、いつも私の方が1.5倍は食べてるし…////
普通、逆ですよね…////?」

「んーそうだね。
白羽を見てると胸がいっぱいになるから、食べなくてもいいよ。
俺の中心は、白羽だから……!」
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