神、恋に落ちる
「じゃあ、私はチョコで!あと残りは、命さんと、安居さんだね!」
「そうね!」
「一徹様は?」
「一徹は、甘い物食べないの」

「ん?」
チョコのロールケーキを食べていた白羽の動きが止まる。
「白羽?どうしたの?」
「これ…お酒が入ってるみたい……」
「え?ちょっと、一口いい?」
由那が一口食べる。

「ブランデーが入ってるみたい。
…………って、白羽!顔真っ赤!」
「うん…私、弱くて……」
「白羽さん、お水です」
「あ…黒崎さん、ありがとうございます…/////」
「……////い、いえ////」
「………」
「由那さん?どうしました?」

ほてった顔でお礼を言う白羽に、顔を赤くする黒崎。
その黒崎を見つめる由那。

「可愛い~白羽」
白羽が由那の肩に頭を預け、眠ってしまう。
「可愛いですね…」
黒崎が優しく白羽を見ていた。

「黒崎さん」
「はい」
「白羽のこと……」
「え?」
「いえ…あの、ベットに連れて行ってあげてください」
「はい」
黒崎は白羽を抱き上げ、ベットルームに向かった。

「…………好きなんですね…」
由那はリビングを出ていったドアを見つめながら、呟いたのだった。


黒崎がベットに白羽を横にすると、キュッと黒崎のジャケットを握ってきた白羽。
「んー命…さ…」
「………」
黒崎はその小さな手を優しくジャケットから外し、シーツの中に入れた。

そして部屋を後にしようとする。
「嫌!!!」
「え━━━!?白羽さん!?」
突然……ガバッ!!と起き上がり、荒い呼吸で震える白羽。
黒崎は駆け寄り、顔を覗き込んで声をかけた。

黒崎が背中をさする。
「夢か……
あ、黒崎さん…すみません、びっくりさせて……
あれ?なんで…寝室…」
「あ、由那さんの肩で眠られたので、俺が運びました」
「すみません。重かったでしょ?起こしてくれてよかったのに……」
「いえ…びっくりするくらい、軽いですよ?白羽さん」
「そ、そんな…
…………黒崎さんは、ほんと優しい方ですね…」
不意に黒崎を見上げ言った、白羽。

「え……?」

「こんな言い方変ですが……
黒崎さんのような優しい方が、何故…命さんの傍にいるんですか?」
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