君の声色
その時彼女の横顔を初めて見た。
ドクン…っと大きく脈打った。
俺は生まれて初めて…恋をした。


学校に着いて早速、彼女を探す。
制服は同じだった。
少し大人っぽく見えた。
3年生か?
「可愛かったな…」
今朝のことを思い出していた。
「結斗!いたか?」
「深雪…!」
深雪が手を振りながら俺のところまでやってきた。
「まだ…。でも残るは2年だけ」
「放課後までに見つかるといいな!」
「おう!」
彼女に合ったら俺は言いたいこと、聞きたいことがある。
だから絶対に見つけたい。


そうしてあっという間に放課後になってしまった。
「はぁ…」
全く見つからない。
どのクラスにもいなかった。
この学校じゃないのか?
でも制服はうちの高校のだ。
タイミングが合わなかった?
「う〜ん……」
全くわからないな。
その時…俺の目の前に、腰まである長くて綺麗な黒い髪の女の子…彼女が歩いていた。
「見つ…けた」
俺はすぐに彼女の元へと走る。
真っ直ぐに手を伸ばし…彼女を掴んだ。
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