君の声色
「めちゃ可愛いじゃん!」
「結斗、この女の子も堕としたの〜?」
…上手く聞き取れなかったけど…堕とすって言った?
何の話か全くわからない。
でもとりあえすま早く渡してこの場から去りたい。
そして私は勇気を振り絞った声を出した。
「…こ、れっ!」
私は落とし物を彼に無理矢理押し付けた。
「これ…っ!!」
彼はそれを見て声を上げた。
私は急いでその場から逃げた。
「待っ…!」
そうして私は下校時間までなんとか彼に出くわさず平和に過ごしていたんだけど…。
「よかった〜、見つかって!」
運悪く今朝の男の子に見つかってしまった。


「赤いリボンってことは君も2年生!?」
「…?」
私は彼の言葉を上手く聞き取ることができなかった。
「ねぇ、2年何組?名前はなんて言うの?そうだ!連絡先教えてよ!」
…喋るの速すぎる!
それになんだかすごいチャラそうだし。
なんだか関わりたくない部類の人だ。
そのまま無視して帰ってもいいかな?
もう帰りたい…。
「ねぇ、聞いてる?」

< 7 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop