青い時間はきみの中
『みなさん、おはようございます。朝の時間です』
ふと耳に飛び込んできた声は、穏やかだった。
『今日は四月二十日、水曜日。予定は特にありません。第一高校のみなさん、今日も一日元気にお過ごしください』
定型文が教室のスピーカーから流れている。定型文なのに、うつくしく流れている。
思わず動きをとめて、耳を澄ました。……名前、言うかな。
『これで朝の放送を終わります。朝の放送は、一年、青木がお送りしました』
あおきくん。青木くんだろうか。
おんなじ一年生なんだ。聞きやすくて、優しそうな声のひとだなあ。
それが、高校入学後すぐ、初めて青木くんの放送を聞いたときに、思ったことだった。
ふと耳に飛び込んできた声は、穏やかだった。
『今日は四月二十日、水曜日。予定は特にありません。第一高校のみなさん、今日も一日元気にお過ごしください』
定型文が教室のスピーカーから流れている。定型文なのに、うつくしく流れている。
思わず動きをとめて、耳を澄ました。……名前、言うかな。
『これで朝の放送を終わります。朝の放送は、一年、青木がお送りしました』
あおきくん。青木くんだろうか。
おんなじ一年生なんだ。聞きやすくて、優しそうな声のひとだなあ。
それが、高校入学後すぐ、初めて青木くんの放送を聞いたときに、思ったことだった。
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