クラスの男子が全員、元カレだった件
8、元カレがバイト先にいた件
学校での日常は何事もなく過ぎていく。
朝は旧友、青山碧と元カレNo.3の高橋隆人が「オオサンショウウオは爬虫類か両生類か」というバカみたいな話を横目に、数学の宿題をした。
授業は4時間目に体育があった。女子が少ない理系は、文系特進クラスのA組との合同になる。
今日はバドミントンで、青山碧とペアを組もうとしたけど、「持病の気だるさ」とかわけのわからない理由で、授業を休んだ。
仕方なく、余った子と組もうと、みんながペアを作っていくのをただじっと待っていた。
その時、「小泉さん、私と組みましょう」と声をかけてきた子がいた。
彼女はこの瀬花高校に通う誰もが知っている。明千代子。生徒会長だ。
「明さんが、私と?」
「不服ですか?」
「いいえ、でも……」
「小泉さんは運動が得意だと記憶しています。対する私は運動があまり得意ではありません。力関係的にベストパートナーだと思います」
「はあ」