クラスの男子が全員、元カレだった件
15、元カレ同士にもいろいろある件
喫茶店レインリリーから家に帰ると、三島志麻からLINEが来ていた。
『2番でいく。ありがとう』
どうやら脚本の方で、3本ある内の2番を選んだようだ。
内容は、私が得意なボーイミーツガール。
彼氏がいる人を好きになってしまう男子。
放課後、視聴覚室に呼び出して、女子に告白するも、男子はやっぱり振られる。
そこで女子が言うのだ「正直揺らいでしまう」
それに対して、男子は怒る。
「卑怯者! クズ! そんなずるいこと言うな!」
それに対して女の方も感情をぶつける。
「どうしてもっと早く出会えなかったのよ! どうしてもっと早く私を見つけてくれなかったのよ! バカ! バカ! バカ!」
と言って、その辺にある物を投げつける。
そして、男子は言うことがなくなり、女子も投げるものがなくなる。
本音をぶつけ合って、お互いの本音を知って、それでも二人の距離は女子が物を投げなきゃ届かないほど遠い。
その二人の距離の間から夕陽が差し込む。陽の光に包まれる二人。
お互いに、両手を伸ばして、まるで抱擁するような形で、陽の光を包み込むところで物語は終わる。