私は幼馴染の双子の兄の方が好きなんです



残りの授業も教師が出席簿を立てると共に終わり、辺りは放課後の喧騒(けんそう)に包まれた。

帰宅部である私は後は帰るだけ。

そそくさとバッグに教科書やファイルを差し込み、私は放課後の予定を考えていた。

......。

......。

さて、どうしよっかなー。

チラッと、みーくんの方を向く。

みーくんは、私の視線が当たった瞬間、ビクッと飛び跳ねた......ような気がした。



みーくんらと一緒に帰りたいけど、さすがに放課後は放っておいてほしいよね。

世話を任されたと言っても、一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)管理しろってことじゃないし。

でもな......私予定ないんだよね~~

もしかすると、みーくんらも予定ないかもだし、一緒に帰ろうか誘ってみようかな。



そんなことを考えていると、みーくんが先手を取ってくぎを刺す。


「葵、まさか、一緒に帰るとかいうんじゃないだろうな」


ギクッ。顔に出てたかもしれない。


「ち、違うもん。そんなんじゃないよ」


私がそういうと、ホントかと言わんばかりに、みーくんは(いぶか)しそうに私を見つめる。


「私、弥生ちゃんと帰るつもりだったもん」



みーくんはため息一つ。


「じゃあいいけど。世話を任されたっていっても、食事だけでいいから。予定なこと考えずに、お前はお前の時間を大切にしろ」


そう言って、みーくんは乱暴にフックからカバンを外し、立ち去ってしまった。


いいもん。他の子誘って帰るから。


※みーくんらの陰に隠れてしまうけど、私にだって友達はいます。





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