私は幼馴染の双子の兄の方が好きなんです
みーくん。本名は岸野磨手。
幼馴染の双子の兄だ。私にとってもお兄さんみたいな人だ。
あれから、一悶着あった(私が一方的に暴れた)が、私はすぐ部屋から摘まみだされ、数分で兄弟は制服に袖を通してリビングに降りてきた。
「ねここちゃーん、おまたー」
洗顔を終えたまーくんが机の上の料理をみて驚いた顔をする。
「これ、ねここちゃんが作ったの?」
「そうだよ」
「めっちゃ美味しそうだよ、これ」
「ありがとう」
褒められてちょっと照れてしまう。
お母さんに最低限、家事ができるようにと幼い頃から料理をさせられていた結果、材料と機材があれば大体作ることができるようになった。
料理ができることだけは勉強、スポーツと取り柄のない私の、唯一自慢できることなのだ。
みーくんもまーくんに続いて洗顔を終えて席に着く。
まーくんとは違い、私の作った料理には一言もない。
だよねー。
昔っから、みーくんはこうだもの。
「いただきまーす。んー、おいしいね、この焼鮭」
まーくんは目にもとまらぬ速さで料理を搔き込む。
「そんな、急いで食べると喉詰まっちゃうよ」
「うんうん、でも美味しいから、箸がとまらないんだよ」
そんな風に言われると、うれしい。
一方で、黙々と咀嚼し続けるみーくん。
ここで、「うまい」って言ってくれたらいいんだけど。
一応食べてもらえてる。食べられる合格ラインにあるってことかな。
「あのさ、葵」
ついに、みーくんが口を開いた。
「なんでお前がここにいるわけ?」
誉め言葉ではなくて、私は肩を落とした。
幼馴染の双子の兄だ。私にとってもお兄さんみたいな人だ。
あれから、一悶着あった(私が一方的に暴れた)が、私はすぐ部屋から摘まみだされ、数分で兄弟は制服に袖を通してリビングに降りてきた。
「ねここちゃーん、おまたー」
洗顔を終えたまーくんが机の上の料理をみて驚いた顔をする。
「これ、ねここちゃんが作ったの?」
「そうだよ」
「めっちゃ美味しそうだよ、これ」
「ありがとう」
褒められてちょっと照れてしまう。
お母さんに最低限、家事ができるようにと幼い頃から料理をさせられていた結果、材料と機材があれば大体作ることができるようになった。
料理ができることだけは勉強、スポーツと取り柄のない私の、唯一自慢できることなのだ。
みーくんもまーくんに続いて洗顔を終えて席に着く。
まーくんとは違い、私の作った料理には一言もない。
だよねー。
昔っから、みーくんはこうだもの。
「いただきまーす。んー、おいしいね、この焼鮭」
まーくんは目にもとまらぬ速さで料理を搔き込む。
「そんな、急いで食べると喉詰まっちゃうよ」
「うんうん、でも美味しいから、箸がとまらないんだよ」
そんな風に言われると、うれしい。
一方で、黙々と咀嚼し続けるみーくん。
ここで、「うまい」って言ってくれたらいいんだけど。
一応食べてもらえてる。食べられる合格ラインにあるってことかな。
「あのさ、葵」
ついに、みーくんが口を開いた。
「なんでお前がここにいるわけ?」
誉め言葉ではなくて、私は肩を落とした。