私は幼馴染の双子の兄の方が好きなんです
私はみーくんたちに、両親のいない1週間、葵家がお世話をすることを説明した。



「余計なお世話だ」


と案の定みーくんはそう言ったけど、まーくんが



「でも毎日梅干し食べるより、ねここちゃんのおいしい料理食べたいよね」


というと、少し考えるそぶりをして......やめた。




「葵家の世話になるくらいなら、毎日梅干し消費する方がいい」



みーくんはそう吐き捨てた。



はぁ、どうしてみーくんはまーくんみたいに素直に厚意を受け取ってくれないかな。




それにさ、どうして梅干しなんだよ。

さっき料理を作るときに確認したけど、キッチンの戸棚にカップラーメン入ってたし、冷凍庫の中もチンするだけで食べられる冷凍食品入ってた。

ご両親が、ブラジルに行く前にちゃんと準備してくれてはったよ?

この兄弟は、お湯を沸かすことも、レンジで温めることもできないのかな。




「それはダメだよ。体に悪いし......。 梅干しだけで食べてもおいしくないよ」


「葵には関係ないだろ」


「関係なくないよ。任されてるんだから、責任もってやってるんだよ」


「じゃあ、クビ」


「そんな、ご無体な」


「それに梅干しうまいぞ。米軍のレーションよりも」


「そんなものと比べないでよ」




私とみーくんの言い争いを眺めるように見ているまーくんに、ウインクをする。


何か言って、みーくんを説得してという、私のヘルプサインだ。


まーくんはその符丁(ふちょう)を理解したのか、ウインクで返した。





「兄貴、ねここちゃんの厚意を無下にするのはよくないよ」


まーくんは、みーくんを諭しだす。

そのまま説得されてほしい。


「どうして?」


まーくんは、みーくんに肩をポンっと手を触れていう。


「兄貴が大好きなねここちゃんが毎朝起こしに来てくれるのに、断る理由なんてないはずだよ」




場が凍り付く。最悪だ。



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