【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 だが、アイリーンが隣国へ留学をしてしまうと、国政に係わるような問題が一つだけあった。

「ああ、でもリーン様が隣国へ留学するのであれば、王太子のディミトリー殿下の婚約者候補から、外れてしまうのかしら」
 ジジが顎に右手を添えて首を傾けた。癖のある髪もゆっくりと揺れる。「リーン様とディミトリー殿下、お似合いですのに」
 そう、アイリーンは王太子殿下の婚約者候補として名を連ねている。

「ありがとう。でもね、私は婚約者候補から外れても問題は無いわ。カーナもいるし、他の公爵家の皆さんもいることですし」
 隣のカーナに視線を向ける。

「私も別に、ディミトリー殿下の婚約者にならなくてもいいんだけれど。むしろ、どちらかと言ったらなりたくない、というか」
 王太子の婚約者となれば、女性の憧れだろう。ところがこの二人、そんなものには興味が無い。むしろ興味があるのは。
「でも、カーナ。ディミトリー殿下の婚約者となって、殿下とあのジェリアン様の仲を見守るのも、なかなか楽しいのではないかしら?」

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