【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 仕送りが多いことがばれたら、また甘やかしてと言うだろうし。通訳を頼んだということがばれたら、またいいように使って、と言うだろうし。仲が良い夫婦であることは確か。

「ここよ」
 ノエルに案内され、一番大きな書店の前に着いた。見るからに大きい。中も広そうだ。

「迷子にならないかしら」
 アイリーンが不安がって言うと。
「大丈夫よ。どうせ、甘美の棚しか見ないのでしょう?」
 ノエルが笑う。

「でも、せっかくですから、一通り見てみたいわ」

「それもそうね。せっかくだから、案内するわ」

 王都一大きな書店なだけあって、中も広い。よくなんとかドーム何個分という表現をするけれど、甘美のコーナーだけで教室二個分くらい。各種試験の問題集やら参考書やらが教室二個分。専門書で教室一個分。子供向けの本で教室一個分。その他の本で教室四個分。つまり、この書店は教室十個分くらい。ただし、アイリーンの感覚による。

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