【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「え」
 アイリーンは一歩遅れて、声を上げた。
「部長の?」
 ナミカの顔をまじまじと見つめてノエルが尋ねると、彼女は頷いた。
 
「例のパーティの件をね、ルークから聞いてはいたんだけど。プーランジェからの留学生がいるからって。それがあなただったのね。アスカリッドの言葉も堪能とは聞いているわ。まだ、この本はプーランジェの言葉には翻訳されていないわよね。やっぱり、アスカリッド語のままで読んでいるの?」
 ナミカが言うこの本は月雲シリーズのこと。

「そのまさかですよ」
 ノエルは書き終えた予約票をナミカに差し出した。
「彼女は原本のまま読んでます」

「へー。そうなんだ。なんか、嬉しいな。本好きとしては、いろんな人にこの国の本を読んでもらえるって嬉しい」

「ですよね。特に、甘美。もっと全世界的に広まってもいいと思うんだけど」
 ノエルのその言葉にアイリーンも頷く。
 まさしくノエルのその言葉はアイリーンがいつも思っていること。特に甘美のビーでエルな方。

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