【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アイリーンとしては、テストの結果で何か言われるだろうとは思っていたから、何を言われても平気なはずだった。だけど、イブライムにそんなことを言われるのは想定外。ちょっと、嬉しい。
「ありがとうございます、イブ様」
 他の人には聞こえないように、そっと囁いた。イブライムがそれに対して何か言い返そうとしたとき。

「リーン」
 一歩手前から抱き着いてきたのはノエル。
「あなたのおかげで、苦手なプーランジェ語の点数が二十点もあがったのよ。見て見て」

「それは、エルが一生懸命勉強を頑張ったからですよ」

「ありがとう。でもね、やっぱりリーンのおかげよ。プーランジェ語の勉強があんなに楽しくできるなんて、思ってもいなかったから」

「おい」

「あ、なんだ。イブ。いたの?」

「いたの、ではない。今、オレがリーンと話をしていたんだ」

「そうなの? そうは見えなかったけど。それよりも残念ね。今回は私と二十点も点数差がついてしまって」

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