【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アイリーンが頭を下げると、イブライムの口元が歪んだように見えた。フランシスは表情を変えず。
「理由を聞かせてもらってもいいかな?」

「あ。はい。今回のパーティは欠席します」

「それは、私が誘ったから?」

「いいえ、違います。あの、パーティの出席は強制ではありませんよね。それで、いろいろと思うところがありまして」
 語尾が小さくなる。いろいろと思うところを突っ込まれたら、面倒だから、これ以上は触れないでという意味を込めて。
 フランシスは腕を組んだ。
「無理をさせてしまったかな」

「そういうわけではないのですが。少し疲れてしまいました」
 これは本当。周囲からの好奇の目に晒されながらの学院生活。隣にはさりげなくノエルやヘレンがいてくれたけれど、その隙間をかいくぐってくる人たちもいる。このように閉鎖された空間では、恰好の餌食。いい結果を出しても、悪い結果を出しても。
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