【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 だが、アイリーンは元腐女子だ。疲れていても、栄養補給さえすれば回復する。その栄養補給だが、最近、これもうまくいっていない。
 当初はダンカンとフランシス、イブライムとジョアキナで考えていた。だが、ダンカンとジョアキナには別な相手がいる。よくよく見ていると、イブライムとジョアキナがいい感じだった。生徒会でも会長と副会長。見ているだけでいい。眼福とはよく言ったものだ。
 だが、何を間違えたのかそこに自分が飛び込んでしまった。
 だから、疲れた。気疲れというやつ。

「わかった。残念だけど、アイリーンさんは欠席だね」

「はい」
 フランシスの言葉にアイリーンは肯定の返事をした。
「特に仕事が無ければ、戻ってもよろしいでしょうか」

「いいよ」
 フランシスは興味を無くしたのか、ひらひらと右手を振っていた。

「失礼します」
 言い、生徒会室を後にする。これで邪魔者は退散。残されたのは会長と副会長。この扉の向こうでどんなやり取りが繰り広げられるのか。妄想したら頬が緩むし、スキップもしたくなる。だが、誰が見ているかわからないから我慢我慢。

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