【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「リーン」
 生徒会室から十歩離れたところで、背中から呼び止められた。振り向かなくてもわかる。この声の主はイブライム。相手を間違えている。私ではなく、会長に詰め寄ってください、と。

「はい」
 返事をして立ち止まり、振り向いたところで予想通りのイブライム。
「何か御用でしょうか」
 イブライムが近づいてくる。アイリーンの目の前で、立ち止まった。
「リーン。先ほどのオレへの返事は?」

「せっかくのお誘いありがとうございます。ですが、パーティは欠席いたしますので、お見送りとさせてください」
 まるで棒読みのセリフであることはわかっている。

「パーティが苦手なのか?」
 イブライムからの問いに対して、右斜め上に視線を向け、少し考える。
「はい。どちらかと言ったら、好きではありません」

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