【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「リーンがオレのことを心配してくれているのは、よくわかる。でも、リーンがいないパーティに出席する価値は無い、と思った」

「どうして?」

「どうしてだろうなぁ。自分でもよくわからん」
 そこでイブライムは笑った。よくわからないなら、そっとしておいて欲しい。

「ただ、リーンが困るのであれば。この学院の生徒会副会長としてではなく、アスカリッドの第二王子として、誘う。それなら問題ないだろう?」
 問題大ありです。と、アイリーンは心の中で呟く。なぜ、アスカリッドの王子様からデートのお誘いを受けなければならないのか。

「そう言われましても」
 困るものは困る。今にも、彼の後ろからフランシスが姿を現すのではないかとさえも思えてくる。

「リーンのことが気になって仕方ない」
 イブライムは彼女の髪を一束すくい、そこに口づけをした。そんなことをされたアイリーンは自分でも顔が赤く染まっていくのがわかる。顔が火照る。その顔を両手で覆った。

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