【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「承知いたしました、ユミ様。どうか私のことはリーンとお呼びください」

「まあ、嬉しい」
 両手を重ねて頬の脇に添える姿は、可愛らしい。
「どうぞ、座って」
 失礼します、とアイリーンは薦められた椅子に腰を落ち着ける。

「そんなに緊張しないで」
 と言われても、緊張しない方が難しい。
 目の前にカップが置かれる。香ばしい香りが鼻につく。
「これ、私のお気に入りのお茶なの。リーンのお口に合うといいのだけれど」
 アイリーンはカップを手に取り、一口飲む。あ、美味しい。ごくごく飲めちゃいそう。ユミエーラは彼女の表情を読み取ったらしい。満足そうに笑っている。

「今日は突然、ごめんなさいね。びっくりしたでしょう? でも、こうでもしないとあなたとお話ができないと思ったから」

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