【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ご存知だったのですか?」

「もちろん。リーンが留学して隣国の言葉を習得してこの国へ戻って来たなら、私の秘書として取り立てたい、と陛下にも伝えてあるよ」
 ここでも親ばかを発揮してきた父親。留学先での卒業後の就職先までゲットしてしまった。
「陛下も、リーンが婚約者候補であることはご存知だ。しかし、その件に関しては先ほども言った通り、ナディソン嬢でほぼ内定している。だから、リーンが留学することで、その婚約者選定に影響が出ることはない。」

「でしたら、何も問題はありませんよね」

「ただ陛下は、心配をされている」

「心配?」
 アイリーンは聞き返す。「なぜ?」

「リーンが私の娘だからだ」
 宰相の娘という立場は、時にプラスに働き、時にマイナスにも働く。

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