【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ごめんなさい。私の今の話は忘れて。ところで、あなたは学院を卒業したら、どうするつもりかしら? これを先に聞くべきだったわね」
 忘れて、と言われたから忘れていいのだろうか。とりあえず、卒業後について考えていることを口にする。

「はい。学院の卒業後はプーランジェに戻り、このアスカリッドで学んだことをプーランジェの方に広めたいと思っています。それから、父の秘書として働く予定です」

「あら。先を越されていたのね」
 何の先かはわからないが。
「リーンは、プーランジェに好きな人はいらっしゃらないのかしら?」

「好きな人、ですか?」

「そうよ」

「父と母と弟、ですか?」

「うーん、ちょっと違うけれど。その答えでなんとなくわかったから、いいわ」
 ユミエーラは満足そうに頷いた。
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