【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「イブ。私は次の予定があるから、彼女を送って頂戴ね」

「はい、母上」
 去ろうとするユミエーラの背中を茫然と見つめるアイリーン。今、送るとか言ってなかった?

「リーン。宿まで送ろう」
 断ると言いたいけれど、言えない。

「ありがとうございます。ですが、馬車を準備していただければ一人で戻れます」

「それでは、リーンが危ないだろう?」
 むしろ、イブライムの方が危ないのでは? とも思うので、そういった視線を向けると。
「オレは騎士だからな」

「え?」
 知らなかった。どうやら、兄である王太子の将来のために、彼を護衛するために騎士に志願したらしい。今は学生であるが、出られる訓練には参加しているとのこと。騎士見習い、というところだろうか。

「リーンを守ることくらいならできる」

 そこまで言われてしまっては、反論するような言葉も見つからない。しぶしぶと彼に従うこととした。



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