【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「陛下が心配なさる気持ちもわかります。でも私が行くことで、お互いの国にとって有益な結果を生むのであれば、喜んで隣国へと向かいます」

「リーン……」ボイド公爵は、深く息を吐いた。「いつまでも子供だと思っていたのだが、そのように国と国の関係を考えていたとは。成長したな」
 オタ活のためです。隣国で推しカプを満喫するためです。とは口が裂けても言えない。

「リーンの留学、許可しよう。将来的には私の秘書となって私を支えて欲しい。陛下にもそのように伝えておく。ただし、侍女のモイラを連れて行くように。彼女の母親は、確か隣国出身だったはず。彼女ならリーンを助けてくれるだろう」

「お父様。私の方からモイラのことをお願いしようと思っていたところでした。ありがとうございます」
 アイリーンは深く頭を下げる。

 父親が言う通り、モイラの母親は隣国のアスカリッドの出身だった。隣国のビーエル本を入手してくれたのも、モイラ。モイラも実は同志。

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