【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ちょっと、何? 私には友達ができない、みたいな言い方は」
 両手を腰に当て、ぷーっと頬を膨らませる。

「いえ。安心したんです。プーランジェからアスカリッドの留学だなんて、制度はあっても利用した人は少ないじゃないですか。あちらの国で義姉さんが受けいれてもらえるのかどうか、ちょっと不安だったので」

「あら。ご心配ありがとう」
 言い、アイリーンは右手を差し出した。絵を渡して欲しい、ということのようだ。ライオネルは手にしていた絵をアイリーンの右手にのせた。だが、その絵を放さない。

「義姉さん。義父さまからアスカリッドで本を出版するという話を聞きました。それがこの絵と関係するのですか?」
 鋭い義弟だ。
「昔から、義姉さんは絵を描くのが好きでしたよね」

「ええ。本のイメージの絵を描くことになったの」

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