【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「やっと来たのね。もう待ちくたびれてしまったわ」
 母親はすでにお茶を飲んでいた。

「お母様、お待たせしてしまってすいません」

「リーン、勉強熱心なのはいいけれど。適度にお休みしないとダメよ」

「はい」
 返事をして母親の隣に座る。そして、その隣にライオネル。

「リーン。あなたが好きそうなお菓子を準備しておいたわ」
 母親の口の両端が上がっている。笑みとは違うその表情は、アイリーンを心配していることがよくわかる。

「お母様、大好きです」

「ちょっとリーン。急にどうしたの?」

「本当に、どうしたんでしょう。帰ってきたら、安心してしまいました」

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