【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「やはり、向こうは大変なのではないの?」
 母親は心配そうに言葉をかけた。

「はい。大変といえば大変ですが。モイラもいてくれますし。何よりも、友達ができました」

「まあ、友達ができたのね? よかったわ」

「お母様も私に友達ができないと思っていましたか?」
 隣のライオネルを視線の端に捉えた後、母親を見る。

「いいえ。そうではないわ。心配をしていたのよ、心配よ。ね?」
 最後のね、はライオネルに向けて。それに彼も頷く。
「でも、こちらにいたとしても心配の種は尽きなかったわよ。ね?」
 母親は左手を頬に添えて、首を傾けた。そして、最後のね、はライオネルに向けて言っている。

「そうですね。ディミトリー殿下の婚約者候補でいろいろ揉めているらしいですからね」
 ライオネルはカップに指をかけた。
「義姉さんの友達のカーナ嬢も大変だったと思いますよ」

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