【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 足元に置いた鞄からゴソゴソと画集を取り出す。モイラは焦ったのかこちらにちらりと視線を送ったのだが、出てきたのが画集であったためほっと胸をなでおろした。

「それは、アスカリッドの画集ですか?」

 アイリーンが手にしていたものに興味を示したのか、ランスロットが声をかけてきた。

「はい。美術館へ行ったときに、買いました」

「私も一緒に見ても、よろしいですか?」

 意外な申し出だった。彼も絵に興味があるのか。それとも、この移動がただ暇なのか。
 隣に座っていたモイラがすっと席を立った。

「どうぞ、ランスロット様」

「ありがとう」

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