【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 アイリーンの隣にランスロットが座る。彼がアイリーンの膝の上にある画集を覗き込む形になる。

「アスカリッドの絵は、プーランジェのとは違いますね」

「ランスさんもそう思いますか? アスカリッドの絵はとても柔らかいのです」

「柔らかい。なるほど。そういう表現の仕方もあるのですね」

 その二人のやり取りを、モイラは目を細めて見つめている。
 なんとか気まずい空気から逸脱できたようだ。
 途中、ランスロットは自動車の運転をするために、運転席の方へと行った。彼は自動車の運転をすることが好きらしい。だから王都から屋敷に戻ってくるときは、自分で運転するらしい。今回もランスロットが運転しようとしていたのだが、アイリーンを送っていくという手前、父親であるモントーヤ伯に注意されたらしい。そして、必ず運転手と交代で運転するように、と釘を刺されたとのこと。

「自動車の運転が好きなんて、変かな?」
 と聞かれたが。
「好きなことを好きと言って、何が変なのでしょうか?」
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