【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
 ふと、アイリーンは思ったことがある。これは、ランスロットとのデートになるのではないか、と。イブライムと出掛けた時はどこかにいると思われる護衛がついていたかもしれないが、今はランスロットと二人きり。アイリーンは彼の顔を見上げた。

「どうかしましたか?」
 その視線に気付いたのか、ランスロットもアイリーンを見つめ返す。

「いえ、あの。このアスカリッドのイルミネーションはいかがですか? 感想を聞きたくて」

「とても素敵ですね。このような光景を、私はプーランジェで見たことが無い」

「はい、私もです」

「アイリーン嬢とここに来ることができてよかったと思っています」

「喜んでいただけてよかったです」

「アイリーン嬢。もし、あなたが留学を終えてプーランジェへ戻ってきたとき。まだ婚約が決まっていなかったら、私とのことも考えていただけませんか?」
 なぜ、こうなる? と思わずにはいられないアイリーンであったが。
「では、そのときにあらためて、お願いします」
 とニッコリと微笑んで誤魔化した。
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